ひな人形を片付ける

目次

娘の婚期がおくれる?

ひな人形を早く片付けないと、娘たちの婚期がおくれると、母が祖母に叱られていたことを覚えています。

ひな祭りが、どんな由来で今日の姿になってきたかは、皆さんご存じと思いますので、現実的な話をいたします。
ひな人形を片付ける時期のことです。

我が家でも、ひな人形を出すときはみんなで準備しましたが、片付けるときはいつも母一人でした。
人形の数も多いし、道具もたくさんあったので、けっこう大変な作業だったと思います。

一体づつ、細くした和紙で顔を覆い、桐の箱に納めます。
小さな道具を1つ、一つ、筆でほこりを祓い、丁寧に拭いて、箱に納めます。
さらに大きな箱に詰めて、押し入れにしまいます。
来年まで、静かな眠りについて、ひな祭りは終わります。

何故、早く片付けないといけないのでしょうか?
何故、ひな人形の片づけが遅いと、娘の結婚が遅くなってしまうのでしょうか。

早く片付けたからと言って、早くに嫁に行く保証があるわけでもないでしょうし、遅かったからと言って、婚期がおくれるわけではないと思います。

ひな人形の起源は、厄落としのために作られた紙人形でした。
この考えは、豪華な人形に変わり、女の子の幸せや健康を祈る行事となった、江戸時代でも変わりませんでした。

つまり、身代わりになって厄を引き受けてくれた人形を、いつまでも飾っておくと、災いが子供に戻ってしまうのではないか、と恐れたからだといわれています。

結婚は女性の幸せであると考えられていた時代、ひな人形を早く出し、早く片付けることは、
「早く嫁に行ってほしい」「早く片付いて幸せになってもらいたい」
そんな親心が、このような言葉として、表現されてきたのかもしれません。

我が家の話で恐縮ですが、家には長い縁側と廊下がありました。
祖母は、「娘の縁が遠くなる」と言って、来るたびにこぼしていました。
これを意識したのかどうかわかりませんが、立て直した家は、縁側も廊下もない、とても使い勝手の悪い家でした。
おそらく祖母はあの世で「縁がなくなる!」と言って嘆いていたに違いありません。

このように子供を思う親の心が、意外な妄信(?)を生んできたのだと思います。

ひな人形を片付ける一番良い日は

では、いつ頃片づけたらよいのでしょうか
それは啓蟄(けいちつ)の日です。

耳慣れない言葉ですが、このごろ天気予報でも話題になります。
土の中で冬眠していた虫が、暖かくなって地上に出てくる日が啓蟄です。

日本には春夏秋冬の四季があります。
これをさらに細かく季節を等分したのが24節気(にじゅうしせっき)です。

2月4日の立春を起点として、啓蟄は3番目に当たります。
立夏・夏至・秋分・大寒・小寒などもその一つで、啓蟄は日本独特の季節歴で、3月6日ごろにあたります。

3月3日がひな祭りですから、本当に急いで片付けることになります。

ひな人形を出す一番良い日は

ではいつ出したらよいのでしょうか。
雨水(うすい)です。
これも耳慣れぬ言葉ですが、24節気の一つで2月19日ごろです。

雨水とは、暖かい陽気になって、雪が雨に変わり、地上では雪や氷が解けて水になる季節のことを言います。
アマミズと読みたくなりますね。梅雨時のじめじめした時ではありません。

雨水にひな人形を出すと、良縁に恵まれるともいわれています。

雨水にひな人形を出し、啓蟄にしまう。
要するに一つの節気、季節が移り変わらないうちに片付けようということなのです。

出すのもしまうのも「絶対にこの日」というのはありません。
それでも3月の中旬頃までに、片付けるのが良いでしょう(地方によっては、随分おそいところもあるようです。)

大事なことは、ほぼ1年の大半を暗いところで過ごす雛たちにカビが生えたり、湿気で顔がくすんだりしないように、天気の良い乾燥した日に片付けるのが一番です。

うんちくでお客様を引き留めよう

ハンドメイドで、節句人形を制作されている皆さんも、このような話をしながら、お客様との距離を縮めてゆくことは大切です。良い販売に繋がるかもしれません。

節句人形は季節商品です。
嫁に行った商品はともかく、手元に残った商品を、皆さんはどのように保管しているのでしょうか。
まさか、雑な扱いはしていませんよね。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる