ハンドメイドが売れない理由

一流百貨店で素人の作ったものが販売できる。
この画期的な事柄に、私はとても興奮しました

社会に向かって、自己表現できる場が提供されたのですから歴史的な事件でした。
普通の女性にとって、定年のない仕事が新しく生まれたのです。

なにより、起業が身近になりました。
それから40数年、ハンドメイドはどう変化したのでしょうか。

目次

売り場の拡大は、クリエーターを大量増員させた

大手企業がハンドメイド事業に参入するきっかけに、インターネットの普及は欠かせません
その結果、若い人を中心に手作り人口は一挙に拡大しました。
趣味で作ったものが売れる!!なんて素敵なことでしょうか!!

それ以前から百貨店は、クリエーターに売り場を提供していました。けれども、誰もが参加できたわけではありません。

先ず売り場に立たねばならない時間的、肉体的拘束。
細かな、細かな就労規則。

「お客様は神様」という絶対的概念。
失礼があってはなりません。・・・が大前提ですから。

そんな面倒なことがないのが、インターネットでの販売でした。
余暇に作ったものが、ネットで販売できる。この気軽さが、大いに歓迎されました。

WEBと百貨店というリアルの売り場の拡大に、老若男女、多くのクリエーター達が参入しました。
かつては著名な作家でなければ実現できなかったものが、誰もが参加できる、開かれた市場になっていきました。
ここに、ハンドメイド事業は市民権を得ました。

ハンドメイドの質の低下はなぜ起きたか

売り場が大きく広がれば、当然、供給する商品も大量に必要になります。
パートで働くより時間的に自由。
趣味と実益を兼ねる理想的な仕事。等々

理由は様々ですが、とにかく広がった売り場を埋めるべく、にわか作家が次々と登場してくるようになるのです。
今日はこの売り場。明日はあちらの売り場。明後日は・・・
売れる売り場を求めて東奔西走しています。

まるで内職をするかのような感覚で、量産し販売していきます。
これでどんな作品ができるのでしょうか。心配です。

ハンドメイドは今や大量生産

かつて、多くの家庭の婦女子が手にした「習い事」は、躾や教育として重要な位置を占めていました。
これは家庭に入り、これらが生産性のある労働力として、日常に生かされていたのだろうと思います。

仕事柄、私は多くのクリエーターに接し、沢山の商品を購入しています。
しかし、時代も変わっているのに、愛着があるものは古いものばかりです。

以前にも書きましたが、それらは素材がよく、腕があり、センスが良いのです。
どれも習熟した技やセンスが感じられる商品ばかりです。

それに比べると、最近の商品は不器用な私でも作れるのではないか・・・
なんて思わせるものが見受けられます。

昨今のハンドメイドのブームを受けて、いろいろな素材や部材が販売されています。
加えて、丁寧な作り方まで提供されています。

おかげで、皆一夜でクリエーターになり、晴れの舞台に立っています。
同じような素材。同じような作り方。同じような販売価格。

そして同じデザインが次々生産されてゆきます。
そうでもしなければ、売り場のキープはできないのです。

これからハンドメイドはどこを目指すのか

ハンドメイドに資格はありません。
資格がいらないので、レベルを計るスケールもありません。

この道30年のベテランも、昨今の新人が作ったものも、ひとまとめにハンドメイドと呼ばれます。
ここには基準も無いため、あいまいな商品も販売されています。

進歩というか、変化がないのも特徴の一つです。
ベテランは、長年、商品も販売方法も、陳列方法も変わりません。
変わるのは価格だけでしょうか。

新人は度胸だけで売り場に立ち、技術やセンスに進化が見られません。
商品を氷山、市場を海に例えるなら、売れる商品とは海面に隠れている氷山の大きさに比例するのではないでしょうか。

売れなくなった理由の一つに、買い手が、自分に似合う逸品が見つけにくくなったのです。
貴方は作り手として何が得意なのでしょうか。本当に好きなものは何でしょうか。
自己主張の無い商品は、いくら大量にあっても目立ちません。

お金を得ることは大切で、何よりうれしいですよね。
でも売れなくなったなあ・・・と思ったら、良いチャンスですから、仕事の仕分けをしてみるのはいかがでしょうか?
新しいハンドメイドにつながるような気がします。

まとめ

売れなくなった原因の一つに、素敵な商品が少ないことが考えられます。
それは皆さんが忙しく、商売に走りすぎているため、じっくり物を作る余裕がないのです。
一朝一夕で、できないのがハンドメイドです。
少し歩みをセーブして、私らしさを見直してみることが良い結果に結びつくかもしれません。

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